薫ちゃんの徒然囲碁日記

囲碁に少しでも興味を持ってくれた方が、より囲碁を楽しめるような豆知識を紹介していきます。

第39話「囲碁界もいよいよ自粛モード」の巻

薫ちゃん「先生、囲碁の方でも新型コロナウイルスの影響が出ちゃってるみたいですね。」


囲碁十段戦の第3局以降が延期 代替日程は今後協議 - 社会 : 日刊スポーツ

石野先生「出ちゃってるなんてもんじゃないよ。すべての公式戦が中止か延期になっちゃうだろうからね、プロ棋士にとっては大打撃だ。」

薫ちゃん「収入がなくなっちゃいますもんね。」

石野先生「そうだね。対局料はもらえないだろうし、もう一つの仕事であるレッスンやイベントなんかは、もうとっくに中止になっているから、プロ棋士の収入が断たれたに等しいんじゃないかな。」

薫ちゃん「どうなっちゃうんでしょう・・・」

石野先生「政府の対策とかが、棋士にも届くことを祈るしかないかなぁ。」

薫ちゃん「ネット対局を使って、対局を続けることはできないんですか?せっかく『幽玄の間』があるのに。」

石野先生「それね、5年前だったら実現したかもしれないけれど・・・」

薫ちゃん「えっ、5年前と今とで、なにか変わったんですか?」

石野先生「そう、AIの登場だ。」

薫ちゃん「AI・・・そのことと対局とに、なんの関係があるんでしょう?」

石野先生「AIが人間よりも、つまりはプロ棋士よりも強くなったせいでね、ネット対局の傍らにAIを準備して助言をもらえるようになっちゃったんだよ。」

薫ちゃん「そんなことが!」

石野先生「助言どころか、AIとそっくり同じ手を打てば、あっという間にタイトルが獲れちゃうよ。」

薫ちゃん「でも、そんな不正をするような人が、実際にいるとは思えませんけど。」

石野先生「もちろん、そうだと思うよ。みんな囲碁が大好きなはずだから、その囲碁を汚すようなことをするはずはないと僕も思う。でもね、何千万円の賞金がかかるような対局が、そんな不正ができてしまう環境で行われてもいいと思う?」

薫ちゃん「う〜ん、そういわれると・・・」

石野先生「今まであまり実績のなかったプロ棋士が、ネット碁になったとたんに勝ち進んだら、『AI使ってるんじゃ・・・』って疑わずにいられる?」

薫ちゃん「そんなにイジメないでくだだいよ(泣)ネット対局が難しいってことは、よく分かりましたから。皮肉ですよね、技術の進歩が、別の技術の活用を阻んでしまうなんて。」

石野先生「本当だね。」

薫ちゃん「どうか、棋士のみなさんが、早く対局に復帰できますように!」