薫ちゃんの徒然囲碁日記

囲碁に少しでも興味を持ってくれた方が、より囲碁を楽しめるような豆知識を紹介していきます。

第35話「えっ、一力先生が新聞記者に!?」の巻

石野先生「薫ちゃん、とんでもないニュースが飛び込んできたよ。」

薫ちゃん「どうしたんですか先生、そんなに興奮しちゃって。」

石野先生「薫ちゃん、一力先生って知ってたよね?」

薫ちゃん「えっ、いえ、知りませんけど・・・」

石野先生「あれ、今までに紹介したことなかったっけ?」

薫ちゃん「どうだったかなぁ、覚えてませんけど。」

石野先生「そっかぁ、そもそも一力先生がどんな先生かを説明しなきゃいけないね。」

薫ちゃん「よろしくお願いします。」

石野先生「一力遼(いちりきりょう)先生は、『令和三羽烏』と呼ばれる今大活躍している若手棋士のの1人でね。最近の活躍だと、NHK杯囲碁トーナメントで準優勝したり、竜星戦という早碁の棋戦で優勝したりしているよ。ちなみに、NHK杯は前年は優勝していているから、2年連続決勝戦に進出したことになる。」

薫ちゃん「初めて名前を聞くけど、すごい先生なんですね。」

石野先生「7大タイトルにも、何度も挑戦していてね。残念ながらすべて井山先生に負けてしまっているんだけれど、いつ7大タイトルを獲得してもおかしくない状況だ。その実績から、最新の世界囲碁レーティングでは、井山先生の25位に続いて26位となっていて、日本人では2番目の順位になっているんだよ。」

薫ちゃん「えっと、今ネットで検索してみたんですけど、知的な雰囲気のステキな方ですね。」

石野先生「知的って、さすがに薫ちゃん、見る目があるね。一力先生は、プロ棋士としては珍しく、2020年3月、ついこの間早稲田大学を卒業したんだよ。」

薫ちゃん「へ~、プロ棋士の人たちって、囲碁ばっかりやってるのかと思ってました。囲碁を打ちながら勉強もするなんて、大変だったでしょうね。」

石野先生「さあ、ここからが驚きなんだ。なんと、一力先生、卒業と同時に新聞社に入社しちゃったんだよ!」

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薫ちゃん「え~~~、そんなことができるんですか?プロ棋士は、辞めちゃったんですか?」

石野先生「いや、プロ棋士を続けながら、新聞社の社員としても働くということらしい。記事にもある通り、俗にいう『二足のわらじ』というやつだね。プロ棋士個人事業主みたいなものだから、新聞社のほうのルールにさえ抵触しなければ問題ないはずだよ。」

薫ちゃん「ふわぁ、就職活動とかやってたんでしょうか。」

石野先生「詳しくは知らないけれど、一力先生のお父さんが、入社する河北新報社の社長さんだそうだから、その辺りが関係しているだろうね。」

薫ちゃん「プロ棋士を続けながら、新聞記者もやっちゃうなんて、大変ですよね。囲碁のほうが弱くなっちゃったりしないのかな?」

石野先生「一力先生に限って、囲碁のほうの手を抜くってことはないだろうから、そこは心配ないんじゃないかな。むしろ、それぞれの仕事が良い方向に影響して、よりパワーアップした一力先生を見られるかもしれないね。ネットでは、『自分の対局の観戦記を書いたりするのかな?』なんて盛り上がっているよ。」

薫ちゃん「それにしても、囲碁が強くて、勉強もできて、そのうえ仕事まで・・・才能のある人は違いますね。」

石野先生「えっと、それは僕が才能ないっていってるの(笑)」

薫ちゃん「あれ、分かっちゃいました?」