薫ちゃんの徒然囲碁日記

囲碁に少しでも興味を持ってくれた方が、より囲碁を楽しめるような豆知識を紹介していきます。

第9話「『NHK杯テレビ囲碁トーナメント』は眠くなる?」の巻

薫ちゃん「あ、先生、ちょうどよかった。今、テレビで囲碁の番組をやってるんですよ。」

石野先生「ああ、『NHK杯テレビ囲碁トーナメント』だね。長い名前だから、みんな『NHK杯』って読んでいるけれど。」

薫ちゃん「テレビで放送してるくらいだから、大きな大会なんですよね?」

石野先生「う〜ん、何をもって大きな大会とするかは微妙だけれど、優勝賞金は500万円と、7大タイトルで一番賞金が低い十段戦の700万円よりも少ないくらいだ。」

薫ちゃん「意外だなぁ。」

石野先生「出場する棋士も、タイトルや賞金ランキングで選ばた50人だけだから、大会の規模としてはそれほど大きくないね。」

薫ちゃん「そうなんですね。」

石野先生「でもね、NHK杯のいいところは、当たり前だけれど、全ての対局がテレビで放送されることなんだ。他の棋戦なんて、決勝戦が衛星放送かYouTube専門チャンネルで中継されるかどうかだから、これは大きいよね。」

薫ちゃん「確かに、普通の人は棋士を目にする機会なんてありませんもんね。」

石野先生「そうそう。だから、若手の棋士にとっては、NHK杯に出場することが、1つの目標なんじゃないかな。賞金ランキングで選ばれるわけだから、出場することは活躍の証だ。対局料は対局数に比例するわけだから、賞金が多いってことは、たくさん勝ったってことだからね。」

薫ちゃん「両親や地元の友達なんかに見てもらえるのも、嬉しいでしょうね。」

石野先生「故郷に錦を飾るじゃないけれど、やっぱりテレビの力は大きいよ。」

(しばらく、2人でテレビ観戦)

薫ちゃん(ぐう・・・)

石野先生「薫ちゃん!」

薫ちゃん「はひっっっ・・・あれ、私寝ちゃってました?」

石野先生「思いっきりね。」

薫ちゃん「すみません、まだルールもよく分かってないので、何をやっているのかさっぱり分からなくて。」

石野先生「まあ、そうだろうね。囲碁がメジャーになりきれない原因の1つが、『ルールを知らないと、見ていても全く面白くない』ってところにあるんじゃないかとも思うんだ。」

薫ちゃん「確かに、スポーツなんかだと、ルールが分からなくても、何となくでも画面から選手の頑張りやプレーの凄さが伝わってきますけど、囲碁は、見ていても画面に黒石と白石が増えていくだけですもんね。」

石野先生「薫ちゃん、上手いこというね。でもまあ、その通りだ。」

薫ちゃん「その上、あの『じゅうびょぉ〜、にぃじゅうびょぉ〜』っていうカウントダウンが、『催眠術か!』ってくらい眠気を倍増させてくれます。」

石野先生「あはは。じゃあ、眠くならないように、僕が解説してあげるよ。」

薫ちゃん「眠くならないやつを、お願いしますね。」

石野先生「今日の対局者は、伊田篤史(いだあつし)先生と、井山裕太(いやまゆうた)先生だ。」

薫ちゃん「井山さんは、この前聞いた、7大タイトルを独占して、国民栄誉賞を受賞した人ですよね。」

石野先生「すごい、よく覚えていたね。」

薫ちゃん「でも、相手の伊田さんのことは、全く知りません。」

石野先生「まぁ、話したことがないからね(笑)伊田先生と井山先生とには、ちょっとした因縁があるんだよ。井山先生が7大タイトルを最初に独占したとき、その7つ目のタイトル戦の相手が伊田先生だったんだ。」

薫ちゃん「じゃあ、井山さんは伊田さんを破って、7大タイトル独占を達成したんですね。でもそれって、それまでは伊田さんがタイトルを持っていたってことだから、伊田さんも凄い人じゃないですか!」

石野先生「もちろん、一流棋士の1人だよ。」

薫ちゃん「2人とも、優しそうな顔してますけど、勝負師なんですねぇ。」

石野先生「伊田先生の奥様は、以前このNHK杯の司会をしていた、万波奈穂(まんなみな)先生だ。万波先生はとてもキレイな方なんだけれど、それよりも囲碁界の酒豪として有名なんだよ。」

薫ちゃん「酒豪・・・って、女性にはあまり相応しくない称号ですね。」

石野先生「ちなみに、現在の司会者は、いま画面に映っている星合志保(ほしあいしほ)さんだ。」

薫ちゃん「星合さんも、可愛い方ですね。」

石野先生「そうだね。星合先生は、以前紹介した『女流棋士フォトブック』の発案者でね。自分もモデルとして登場しているんだよ。」

薫ちゃん「わぁ、この写真カワイイ〜。」

石野先生「フォトブック発売の時には、スペシャルライブを企画したりしてね。囲碁界のアイディアマンならぬ、アイディアウーマンだ。」


女流棋士フォトブックスペシャルライブ

薫ちゃん「スペシャルライブ、とっても楽しそうな雰囲気!みんな、仲良しなんでしょうね。」

石野先生「他にも、最近ではYouTubeも始めて、対局動画を公開したり他の女流棋士とコラボしたり、精力的に普及活動を行っているんだ。」

薫ちゃん「そうなんですね。その動画、私も見てみようっと。」