第３４話「女流立葵杯速報（その２）」の巻

石野先生「薫ちゃん、今日の・・・」

薫ちゃん「はいはい、女流立葵杯１回戦の結果ですよね。ちゃんと確認してますよ。」

石野先生「薫ちゃんも、ずいぶん熱心になってきたね。」

薫ちゃん「なんでだろ、先生に影響されちゃったのかな？私も、女流棋士の対局結果が気になりだしたんですよ。」

石野先生「うんうん、そういうところから囲碁に興味を持ってくれたなら、僕としても嬉しい限りだよ。」

薫ちゃん「今日は、先生が注目している岩田紗絵加（いわたさえか）初段と、上野愛咲美（うえのあさみ）三段の対局でしたよね。」

石野先生「それから、牛栄子（にゅうえいこ）二段と、奥田あや（おくだあや）四段の対局もだ。」

薫ちゃん「じゃあ、早速結果発表です！岩田初段と上野三段の結果は・・・」

石野先生「白番岩田初段の、６目半勝ちとなりました！」

薫ちゃん「岩田さん、すごいですね！相手の上野さんは、確かハンマーの異名をとる強い方だったんでしょ？」

石野先生「もちろん！女流本因坊のタイトルを持っている、女流のトップクラスの先生だ。最近でも、竜星戦という棋戦で、男性陣をなぎ倒して決勝まで進出している、今一番ノッている女流棋士だと思うよ。女流棋士フォトブックにも登場している、人気棋士でもある。」

薫ちゃん「そんな人を相手に、堂々の勝利ですね。」

石野先生「『幽玄の間』で棋譜を見せてもらったけれど、上野さんの攻めを上手くかわしながら、最後まで落ち着いて打てていたんじゃないかな。」

薫ちゃん「出ました、先生の上から目線（笑）」

石野先生「そんなにからかわないでよ（汗）」

薫ちゃん「じゃあもう一局、牛二段と奥田四段の結果は・・・」

石野先生「白番牛二段の、中押勝ちです！」

薫ちゃん「今回見事に勝利した岩田さんと牛さんが、準決勝で対戦することになりました。」

石野先生「準決勝は、５月２３日に会津で行われるよ。そのまま翌日には決勝戦だから、ここで藤沢里菜（ふじさわりな）女流立葵杯への挑戦者が決定するわけだ。」

薫ちゃん「そういえば、この大会を主催しているのは、会津中央病院さんでしたね。」

石野先生「挑戦手合は３番勝負になるから、長丁場だよね。ちなみに、前回の実績からすれば、挑戦手合はYouTubeで生中継されるんじゃないかな。」

薫ちゃん「それは、見ないとですね。」

石野先生「う、うん・・・」

薫ちゃん「あれ、先生歯切れが悪い。」

石野先生「いやね、最近対局の生中継って結構増えているんだけれど、スポーツ中継と違って対局者はほとんど動かないから、けっこう退屈だったりして。もっと、ゲストを呼んだり、これまでの対戦を振り返ったり、囲碁を知らない人でも楽しめるような番組にできないものかと思ってね。」

薫ちゃん「ああ、それは深刻な問題ですね。囲碁好きの芸能人とか、出演してくれたらいいのに。」

石野先生「日本棋院さんも色々と考えてくれているんだろうけれど、ここらで何か起爆剤が欲しいところだ。」

薫ちゃん「対局場に、ミスパンダが登場っていうのはどうです？」

石野先生「それ、採用！」