第37話「本因坊戦リーグプレーオフの結果は?」の巻
石野先生「薫ちゃん、本因坊戦リーグのプレーオフが大変なことになってるよ。」
薫ちゃん「本因坊といえば、3大タイトルの1つですよね。大変なことって、そもそもリーグ戦って何なんですか?」
石野先生「だよね、そこからだよね。薫ちゃんは、今の本因坊は誰だか知ってる?」
薫ちゃん「井山さんですよね。前に聞きましたよ。」
石野先生「そのとおり。で、その井山本因坊への挑戦者を決めるためのリーグ戦が、つい先日終わったところなんだ。」
薫ちゃん「えっ、でも、プレーオフやってるって・・・」
石野先生「そのリーグ戦の結果、芝野虎丸(しばのとらまる)先生と許家元(きょかげん)先生が6勝1敗の同率首位になってね。今まさに、挑戦者決定のためのプレーオフを戦っているところなんだよ。」
薫ちゃん「その対局が見れるんですか?」
石野先生「うん、YouTubeでは中継を動画で見ることができるし、幽玄の間でも生中継中だ。YouTubeでは、今をときめく平田先生が解説しているよ。」」
薫ちゃん「で、何が大変なんですか?」
石野先生「難しいコウ争いになっていてね、訳が分からないことになっちゃってるんだ。」
薫ちゃん「訳が分からないのは、先生だけなんじゃないですか?」
石野先生「いやいや、大半のアマチュアの人は、分かっていないはず・・・あっ、許先生がコウを解消した。」
薫ちゃん「パソコンの画面での解説なんですね。」
石野先生「新型コロナウイルスの感染防止のために、ネットでの解説になっているんじゃないかな。」
薫ちゃん「こんなところにまで、新型コロナウイルスの影響が出ちゃってるんだ。よくよく考えたら、囲碁ってずっと向かい合って対局している訳だから、どちらかが感染していたら、相手の方に感染っちゃいますよね。」
石野先生「まあ、間違いないだろうね。ところで碁の方は、平田先生の解説によれば、白番の許先生の方が優勢みたいだ。」
薫ちゃん「じゃあ、許先生のほ・・・」
石野先生「あっ、でも、許先生の方がちょっと間違えたらしい。許先生は持ち時間が無くなっちゃってて、1手1分以内で打たないといけなくなっているからなぁ。」
薫ちゃん「プロなら、1分もあれば正しく打てるんじゃないんですか?」
石野先生「いやいや、難しい局面になっちゃうと、1分ではきついはずだよ。」
薫ちゃん「平田さんも、どっちが勝ってるか分からないみたいですね。『ギリギリ白勝ちかなぁ』っていってますけど。」
石野先生「虎丸先生の方は、十分考慮時間を残しているからね。おやっ、また許先生が間違えたのかな?」
薫ちゃん「平田さんの評価は、芝野さん寄りになってきましたよ。」
石野先生「あっ、許先生が投了した。挑戦者は、芝野先生に決定だ!」
薫ちゃん「ふ〜、対局の内容はほとんど分からないのに、とっても疲れました。」
石野先生「本当に、見ているこっちのほうが疲れちゃったよ。負けちゃった許先生は残念だったけれども、その分芝野先生には挑戦手合で頑張ってほしいね。」
薫ちゃん「私は、井山さん推しですから。」
石野先生「いいねいいね、好きな棋士ができると、観戦がグッと面白くなるからね。」
薫ちゃん「挑戦手合、楽しみですね。」