第23話「もはや異次元の囲碁AI」の巻
薫ちゃん「・・・先生・・・」
石野先生「・・・」
薫ちゃん「先生っっっ!」
石野先生「わっ、びっくりした!」
薫ちゃん「先生、なんだか元気ないですよ。どうかしたんですか?」
石野先生「ごめんごめん、ちょっとネットでショッキングな記事を見つけちゃってね。」
囲碁AIと置き碁対局の意義「野狐九段が六子局で敗れる」|okaoの囲碁研究所
薫ちゃん「『野狐九段が6子局で敗れる』・・・ですか?」
石野先生「そうなんだ。相手は、『神机C』という囲碁AIらしいんだけれど、AIもついにここまで来ちゃったのかって思ってね。」
薫ちゃん「それって、そんなに凄いことなんですか?」
石野先生「まず、『野狐』っていうのは『野狐囲碁』っていう囲碁のネット対局場でね。全世界の囲碁ファンが、日夜ここで腕を磨いているわけだ。」
薫ちゃん「ふんふん。」
石野先生「で、『九段』は野狐囲碁の最高段位だから、アマチュアのトップクラス、場合によってはプロ級の人もいるかもしれない、それくらい強い人達なんだよね。」
薫ちゃん「なるほど。」
石野先生「その『野狐九段』が6子のハンディキャップをもらっても勝てないなんて、今まで誰も想像できなかったんじゃないかな。」
薫ちゃん「すみません、6子のハンディキャップって、具体的にはどういう・・・」
石野先生「六段の実力差があるってことだから、AIの段位は十五段ってことになる。具体的には、この状態からAIが白番で打ち始めることだね。」
薫ちゃん「ええっ!?ここから打ち始めても、人間のほうが負けちゃうんですか?」
石野先生「そうなんだ。僕には『神机』の意味は分からないけれど、本当に囲碁の神様が降臨したんじゃなかと思うよ。」
薫ちゃん「それだけ囲碁が奥深いってことですよね。」
石野先生「う〜ん、囲碁ファンにとっては、喜ばしいことなのかな・・・」
薫ちゃん「そうですよ、もっとポジティブに考えましょ!」