第25話「囲碁講座4月号を読んでみました」の巻
石野先生「薫ちゃん、囲碁講座4月号もう読んだ?」
薫ちゃん「はい。平田さんの講座、とっても勉強になりました。」
石野先生「そうだろうね。『入門を終えて、さあ19路盤を打ってみよう』っていうくらいの人をターゲットにしているみたいだから、今の薫ちゃんにちょうどいいレベルなんじゃないかな。」
薫ちゃん「聞き手の稲葉さんもステキな方ですし、テレビで講座を見るのが今から楽しみです。」
石野先生「僕が注目したのは、『シリーズ一手を語る』の吉田美香(よしだみか)先生のエピソードかな。」
薫ちゃん「『想いをこめた一手』って書いてましたね。」
石野先生「うん、去年の12月に囲碁フォーカスで紹介されたエピソードで、その時もジーンときたんだけれど、改めて文章で読んだら前回以上に感動しちゃって、涙が出そうになったよ。」
薫ちゃん「この白の一手ですよね。」
石野先生「そうそう、この一手だよ。この手だけを見ても、吉田先生の気合を感じることができるんだけれど、そこに秘められた想いというか志というか、この文章を読むと技術だけじゃない囲碁の可能性みたいなものを考えさせられるんだ。」
薫ちゃん「なんだか、難しい話になってきましたが・・・」
石野先生「極端に言えば、『囲碁ってなに?』という哲学的なものとでも表現すればいいのかな。まあ、そんなところまで意識したくなる、素晴らしいエピソードだよ。」
薫ちゃん「この碁のお相手の崔精さんって、どんな方なんですか?」
石野先生「崔精(チェ・ジョン)さんは韓国のプロ棋士でね。中国の於之瑩(よ・しよう)さんと並んで、世界トップクラスの女流棋士といっていい人だ。」
薫ちゃん「そんな人相手に、吉田さんはこの手を打って勝っちゃったんですね。」
石野先生「まあ、もう8年も前のことだし、崔精さんも当時15歳と若かっただろうしね。それでも、吉田先生のこの手の素晴らしさが色褪せるものではないよ。」
薫ちゃん「崔精さん、負けちゃって、悔しかったでしょうね。」
石野先生「でも、その時の悔しさがあるから、今の大躍進があるのかもしれない。もしかしたら、吉田先生との対局がきっかけで、何かを掴んだのかもしれない・・・なんて考えるだけで、ワクワクするなぁ。」
薫ちゃん「先生の語りが熱すぎて忘れてましたけど、付録の『平田智也の”観る碁”から始めよう!①NHK杯編』も面白かったです。」
石野先生「8人の棋士を紹介していたけれど、これは今年のNHK杯のベスト8の棋士だ。こんな面白い企画は、ぜひともテレビでもやってほしいよね。今でも対局の前に対局者のちょっとした紹介はあるけれど、今やデータ放送っていう便利なコンテンツがあるんだから、そこでそれぞれの棋士のプロフィールなんかをがっつり紹介したらどうかな。」
薫ちゃん「それ、面白そう!」
石野先生「対局前に、棋士の出身地とか趣味とか好きな音楽とか、ちょっとでも情報があれば、応援にも熱が入るもんね。」
石野先生・薫ちゃん「NHKさん、ぜひお願いします!」