薫ちゃんの徒然囲碁日記

囲碁に少しでも興味を持ってくれた方が、より囲碁を楽しめるような豆知識を紹介していきます。

第46話「碁盤と碁石、どうやって手に入れる?(前編)」の巻

薫ちゃん「先生は、お家に碁盤と碁石がありますよね?」

石野先生「そうだね。でも、最近はパソコンを使うことが多いから、あまり使ってないなぁ。」

薫ちゃん「私もずっとパソコンで勉強してきたんですけど、プロの碁を並べたりするときなんかのために、碁盤と碁石が欲しいなと思ってるんです。」

石野先生「そうだね、実際に石を打ちながら碁を並べるのは、いい勉強になると思うよ。」

薫ちゃん「それで、先生に相談なんですけど、どんな碁盤と碁石を買ったらいいと思いますか?」

石野先生「なかなか、難しい質問だね。まず覚えておきたいのは、囲碁は道具で強さが決まるものじゃないってことだ。高い道具を使ったからといって、囲碁が強くなるわけじゃない、だよね?」

薫ちゃん「確かにそうですね。スポーツじゃないんだし。」

石野先生「でもね、いい碁盤と碁石を使うと、やる気が出て上達がはやいっていうのも、一方ではあるんだな。かの藤沢秀行先生は、『碁が強くなりたかったら、お金をかけろ』って言ってたらしいからね。」

薫ちゃん「そこなんですよ!ずっとパソコンでマウスをクリックしながら碁を並べてても、なんか雰囲気が出なくて、すぐに飽きちゃうんですよね。」

石野先生「そういうことなら、足付きの立派な碁盤がいいと思うよ。薫ちゃんの部屋は結構広いから、置き場所にも困らないだろうからね。」

薫ちゃん「ですよねぇ。私もそう思って、昨日ネットで調べてみたんですけど、足付きってもの凄く高いじゃないですか。」

石野先生「そうだね、まともに買うと、どんなに安いものでも数万円はしちゃうかな。」

薫ちゃん「それに、色々な大きさがあって、おまけに同じ大きさでも全然値段が違ってたりして、どんなのがいいかさっぱり分からないんです。」

石野先生「碁盤の価値を決める要素は4つあってね。木の種類・一枚板か・盤の厚み・木目の4つで値段が決まるんだ。」

薫ちゃん「はあ・・・」

石野先生「まず、木の種類だけど、これは断トツで『榧(かや)』の木でできたものが高い。」

薫ちゃん「でも先生、通販サイトなんかを見ると、『本榧(ほんかや)』っていうのと『新榧(しんかや)』っていうのとがあって、値段が全然違いますよ。」

石野先生「正確に言うと『本榧』が一番高級品だ。逆に『新榧』は、一番安いといってもいいかもしれない。同じ『榧』でも、この2つは木の種類が全く違うものだから注意してね。」

薫ちゃん「あとは、『ヒバ』とか『桂』とか・・・」

石野先生「まとめると、最高級が『本榧』、次が『ヒバ』と『桂』、最後が『新榧』ってところかな。」

薫ちゃん「高い木だと、何かいいことがあるんですか?」

石野先生「『本榧』でできた碁盤は、石を打ったときに、柔らかい打ち味で、疲れないらしいよ。でも、今のところは、そこまでこだわる必要はないんじゃないかな。」

薫ちゃん「結論としては、『材質にはこだわらなくて良い』と。」

石野先生「次は、一枚板かどうかなんだけど・・・」

薫ちゃん「これも、こだわらなくていいですか?」

石野先生「まあそうだね。一枚板じゃない、複数の木を張り合わせた接合盤でも、実用には十分だ。お値段も当然安くなるしね。でも、足付きとなると接合盤ってのは少ないかな。」

薫ちゃん「『接合盤でも問題なし』ですね。」

石野先生「さて、こだわりたいのは、盤の厚みだ。」

薫ちゃん「というと、やっぱり厚い盤のほうがいいんですか?」

石野先生「いや、むしろその逆だよ。5寸も6寸もある分厚い盤は、めちゃくちゃ重たいし、高すぎて盤面が見にくいしで、実はあまりいいことがないんだ。女性は力がないし、薫ちゃんはそんなに背が高くないから、3寸くらいの薄い碁盤にするといいよ。」

薫ちゃん「『薄い碁盤のほうが、使いやすい』ですね。」

石野先生「で、最後に木目なんだけれど、これも正直こだわる必要は全くない。というより、木目にこだわるような高級品は、薫ちゃんのお小遣いじゃ買えないから(笑)」

薫ちゃん「じゃあ、長々と説明してくれましたけど、結論としては『何でもいいから、3寸くらいの足付き盤を買え』ってことですね。」

石野先生「『長々と』は余計だけれど、まあそういうこと。」

薫ちゃん「碁盤のことは分かったので、次は碁石について教えてください。」

石野先生「うん、でもちょっと説明が長くなっちゃったから、碁石については次回にしようか。」

薫ちゃん「後編に続きま〜す。」