薫ちゃんの徒然囲碁日記

囲碁に少しでも興味を持ってくれた方が、より囲碁を楽しめるような豆知識を紹介していきます。

第57話「囲碁でミルクボーイさんのネタをやってみた」の巻

薫ちゃん「先生、ずいぶんとご無沙汰でしたね。」

石野先生「薫ちゃん、久しぶり。元気だった?」

薫ちゃん「久しぶりどころか、何でもこのブログの更新は256日ぶりらしいですよ。」

石野先生「256日ぶりかぁ・・・キリがいい数字だね(笑)」

薫ちゃん「意味不明・・・」

石野先生「まあまあ。ところで、僕に相談したいことがあるって言ってたけど、どうしたの?」

薫ちゃん「はい、実は私のお母さんが、自分が大好きなゲームの名前を忘れたらしくて困っているんです。」

石野先生「へえ、大好きなゲームの名前をねぇ・・・って、どうなってるのそれは。お母さん、大丈夫なの?」

薫ちゃん「思い出そうとしても、思い出せないそうなんですよ。昔から、物忘れの激しい人だったから。」

石野先生「それじゃあ僕が、お母さんが好きなゲームの名前を一緒に考えてあげるから、どんな特徴を言ってたか教えてよ。」

薫ちゃん「はい。なんでも、黒と白の石を交互に置いて、囲った陣地の広さを競うゲームなんだそうです。」

石野先生「いやいや薫ちゃん、僕をからかってるの?黒と白の石で陣地を競うって、それは囲碁のことだよ。薫ちゃんならすぐに分かるでしょ。囲碁で決まり!」

薫ちゃん「う~ん・・・」

石野先生「う~んじゃないよ、その特徴は間違いなく囲碁!すぐに分かって、良かったじゃない。それにしても、薫ちゃんのお母さんも囲碁が好きだったなんて、知らなかったよ。」

薫ちゃん「私も最初は、囲碁だと思ったんですけどね、お母さん言うには、そのゲームは女性や子供に大人気らしいんですよ。」

石野先生「女性や子供に大人気・・・じゃあ、囲碁じゃないのかも。一般の人にとっては、囲碁といえば、おじいちゃんがやってるイメージだもんなぁ(笑)囲碁といえばおじいちゃん、おじいちゃんといえば囲碁と相場が決まってるからね。」

薫ちゃん「そうですよね。」

石野先生「そうですよねって・・・囲碁じゃないとすると、お母さん、他に何か特徴を言ってなかった?」

薫ちゃん「お母さんが言うには、昔少年ジャンプでそのゲームを題材にしたマンガが連載されていて、ゲームが得意な幽霊が登場していたらしいんですよ。」

石野先生「少年ジャンプで、ゲームが得意な幽霊って、それは間違いなく囲碁だって。そのマンガは『ヒカルの碁』で、囲碁が得意な幽霊は藤原佐為(ふじわらのさい)のことだから。絶対に囲碁、それ以外考えられない。」

薫ちゃん「そうですよね。」

石野先生「そうだよ、間違いなし。」

薫ちゃん「私もそう思ったんですけどね、お母さんが言うには、そのマンガでは、登場人物が必殺技の名前を叫びながらプレーするらしいんですよ。」

石野先生「ほ~、登場人物が必殺技の名前を・・・って、それじゃあ、囲碁じゃないなぁ。囲碁を打つときには、基本的にみんな黙ってるからね。まぁ、たまに大声でボヤく人もいるけれど・・・」

薫ちゃん「そうでしょう。」

石野先生「囲碁を打つ人が、『三連星ェェェ!』とか『一間トビィィィ!』とか叫んでいたら、おかしいものね。」

薫ちゃん「それはそれで、面白そうですけど(笑)」

石野先生「増々分からなくなったよ。他に、何か特徴を言ってなかった?」

薫ちゃん「お母さんが言うには、そのゲームの第一人者は、全てのタイトルを2度も総なめにして、国民栄誉賞を受賞したらしいんですよ。」

石野先生「それで分かった、間違いなく囲碁囲碁界には、井山裕太さんというすごい人がいてね、お母さんの言うとおり7つのタイトル全てを2度も独占して、将棋の羽生さんと一緒に国民栄誉賞を受賞したんだ。」

薫ちゃん「それくらい、私も知ってますよ。」

石野先生「じゃあ、迷うことないじゃない。もう、囲碁で間違いないよ。」

薫ちゃん「ところがね、お母さんが言うには、その人はため息が出るほどのイケメンで、女性ファンからキャアキャア言われているらしいんですよ。」

石野先生「ため息が出るほどのイケメン・・・じゃあ、囲碁じゃないねぇ、残念だけど。井山さんは、『優しそう』とか『良い人そう』と言われることはあっても、『イケメン』の形容詞は似合わなそうだもんね。」

薫ちゃん「そうですか?私はカッコいいと思いますけど。」

石野先生「・・・これ以上言ってると囲碁ファンから怒られちゃうから、これくらいにして、他に何か特徴を言ってなかった?」

薫ちゃん「いやいや、言ってるのは先生だけですから、私を巻き込まないでください。お母さんが言うには、最近小学生の女の子が、史上最年少でそのゲームのプロになったみたいなんですよ。」

石野先生「小学生でプロ・・・今度こそ間違いない、囲碁のことだよ。2年ほど前に仲邑菫(なかむらすみれ)ちゃんが、何と10歳でプロ棋士になったのは、薫ちゃんも覚えているよね?」

薫ちゃん「ですよね。だから私も、囲碁で間違いないって思ったんですけど・・・」

石野先生「まだ何かあるの?」

薫ちゃん「はい、お母さんが言うには、その女の子はちょっとワルぶった感じが同世代の女の子にウケけて、皆がそのファッションを真似しているそうなんですよ。」

石野先生「・・・じゃあ、囲碁じゃないね・・・」

薫ちゃん「ですよね。」

石野先生「菫ちゃんを見て『ワルぶってる』なんて思う人は、この世にいないでしょ。菫ちゃんは、囲碁界の宝!ワルだなんてとんでもないっ!菫ちゃん、頑張れ!!!」

薫ちゃん「先生、熱くなりすぎですよ。」

石野先生「ハアハア・・・ごめん、もう僕ではわからないよ。っていうか、そんなゲームが本当に存在するのかな。」

薫ちゃん「そういえば、お母さんが言うには、そのゲームは、囲碁ではないそうなんですよ。」

石野先生「囲碁ではない・・・って、それを早く言ってよ!今までの僕らの会話は、何だったの!?」

薫ちゃん「先生の表情がコロコロ変わるのが面白くて、ついつい遊んじゃいました(笑)」

石野先生「『遊んじゃいました』じゃないから・・・結局、お母さんの好きなゲームって、何なんだろうね。」

薫ちゃん「お父さんが言うには、それって『ポケモンGO』じゃないかって。」

石野先生「そんなわけないでしょっ、もういいよ!」

石野・薫「どうも、ありがとうございました~~~」

第56話「囲碁の普及について本気で考えてみた!」の巻

薫ちゃん「先生、私の悩みを聞いてもらえませんか?」

石野先生「悩み?」

薫ちゃん「そうなんです。最近の私って、どっぷり囲碁にはまっちゃってるじゃないですか。」

石野先生「そうだね。薫ちゃんがここまではまってしまうとは、思いもよらなかったよ。まあ、教えたほうとしては、嬉しい誤算だけれどね。」

薫ちゃん「だから私、学校でも友達に囲碁の話題を振ってみるんですけど、誰も相手にしてくれないんですよ。」

石野先生「う~ん、それは確かに難しいかもしれないなぁ。」

薫ちゃん「なぜなんでしょう、先生。私だって、みんながテレビ番組やファッションの話題で盛り上がってるみたいに、友達と囲碁の話題で盛り上がってみたいです!」

石野先生「薫ちゃんが、日本で一番普及している競技と思うのは何かな?」

薫ちゃん「難しい質問ですけど、強いていえば『野球』かなぁ。」

石野先生「じゃあ、野球を例にしてみよう。薫ちゃんは、野球はやったことある?」

薫ちゃん「実際にバットを持ったりしたことはないけれど、小さいころに弟とキャッチボールをしたことくらいはありますよ。」

石野先生「弟さんは、今でも野球を続けているの?」

薫ちゃん「そうですね、中学で野球部に入っているから。」

石野先生「弟さんは、プロ野球選手になるつもりなのかな?」

薫ちゃん「そこまでは考えていないと思いますよ。プロ野球選手になれるのって、ほんの一部の才能のある人だけでしょう。」

石野先生「そうだよね、そこが大事なんだ。野球をいう超メジャーな競技だと、薫ちゃんみたいにキャッチボールだけって人も大勢いて、そこからどんどんハイレベルな競技を目指していくピラミッド体制が出来上がっているでしょ。こんな感じにね。」

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薫ちゃん「確かに!特に男の子だったら、誰だってキャッチボールくらいはやったことがありますよね。」

石野先生「ここで大事なことは、キャッチボールや手打ち野球だって、立派な遊びとして認められていることなんだ。手打ち野球をやっている子供に対して、大人が『手打ち野球なんて野球じゃないよ。ちゃんとした球場で、バットとグローブを使ってやらないと!』なんて野暮なことを言ったりはしないでしょ。」

薫ちゃん「そんなこと言われたら、子供たちは白けちゃいますよ。」

石野先生「ところが、囲碁になると残念ながらそうはならない。野球と同じように考えれば、囲碁もこんな風なピラミッド体制になっていてほしいんだけどね。」

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薫ちゃん「ホントだ、野球と考え方は全く同じですね。」

石野先生「でもね、なぜか囲碁になると、最初から9路盤や13路盤、下手をしたらいきなり19路盤で打たせようとしちゃうんだ。」

薫ちゃん「そういわれれば、そんな気が・・・」

石野先生「もちろん、それが囲碁の良いところでもあるんだよ。野球を本格的な球場でプレーしようとしてもなかなか難しいけれど、囲碁だったら簡単に19路盤を使ってプロと同じ環境で対局できちゃう。」

薫ちゃん「でも、そこまでは望んでいない人だって大勢いますよね。」

石野先生「そうそう、そういう人をすぐに19路盤のレベルにまで引き上げようとするから、みんな途中で嫌になって辞めちゃうんじゃないかな。」

薫ちゃん「そもそも、純碁や、9路盤・13路盤は本当の囲碁じゃないみたいな雰囲気も漂ってるような気がします。」

石野先生「まさにその通り!だから、囲碁ってすそ野が広がらなくて、一部のガチ勢の競技になってしまうんだと思うよ。」

薫ちゃん「ということは・・・」

石野先生「うん、まずは僕たちのような囲碁ファン自身が意識を変えないといけないね。」

薫ちゃん「そうすれば、子供たちも今より気軽に囲碁を楽しんでもらえるかも。」

石野先生「そうなれば、将来その子たちが親になったときに、自分の子供たちに純碁や石取りゲームを教えてくれ可能性が高くなる。」

薫ちゃん「時間はかかりそうですね。」

石野先生「まあ、長期的な戦略になっちゃうよね、どうしても。」

薫ちゃん「昔の『ヒカルの碁』みたいなブームがまた来てくれると、そのサイクルが短くなるかもしれませんね。」

石野先生「僕たち囲碁ファンも、その時に備えて今のうちから意識を変えておかないとね。純碁のルールも知らないんじゃあ、教えてあげることもできないよ。せっかく、プロ棋士囲碁関係者が普及に向けて頑張ってくれているんだから。」

薫ちゃん「じゃあ、私も学校の先生になって、子供たちに囲碁を教えようかな。」

石野先生「それ、いいかも。確かに、薫ちゃんは先生に向いていると思うよ。」

薫ちゃん「よしっ、そうと決まったら勉強しよっと。」

石野先生「えっと・・・学校の・・・勉強だよね?」

薫ちゃん「まさか、囲碁の勉強ですよ!」

石野先生「・・・」

第55話「囲碁とガンダムの意外な関係!?」の巻

薫ちゃん「先生、ボリノーク・サマーンって知ってます?」

石野先生「ああ、機動戦士Zガンダムに登場するモビルスーツでしょ?確か、ティターンズのサラ曹長の搭乗機じゃなかったかな。」

薫ちゃん「先生すごい、よくそんなことまで知ってますね。私たちが生まれる前のアニメですよ?」

石野先生「まあ何というか、そういう知識も必要だよね、人生には(笑)ところで、何でボリノーク・サマーンの話題になっているの?」

薫ちゃん「先生、知らないんですか?今、ツイッターで『ボリノーク・サマーン』がトレンドワード入りしているんですよ。」

石野先生「きっと、ガンダムのゲームの関係なんだろうね・・・なるほど、『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』っていうPS4のゲームで、ボリノーク・サマーンが登場したんだね。」

bo2.ggame.jp

薫ちゃん「ガンダムにも、囲碁に関係するエピソードがあったりするんですかね?」

石野先生「う~ん、どうだろう。僕は見たことはないけれど、調べてみようか。」

薫ちゃん「じゃあ、『囲碁 ガンダム』で検索っと。」

石野先生「まあ、あまり期待はできないよね・・・」

・・・

薫ちゃん「あっ、先生、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』って作品で、囲碁のシーンがあるみたいですよ!」

石野先生「うそっ!?」

薫ちゃん「え~っと、2015年のアニメなのであまり情報がないんですけど、ギレンって人が、コンピュータらしきもので碁を打っているシーンがあるそうです。」

石野先生「ギレン・・・ギレン・ザビか・・・」

薫ちゃん「何ですか、そのつぶやきは?」

石野先生「どれどれ・・・なるほど、ネット碁なのかコンピュータと対局しているのかわからないけれど、確かに碁を打っているね。」

薫ちゃん「どうですか、局面は?」

石野先生「ギレンの黒番か・・・少なくとも僕のレベルでは何とも言いようがないくらい、しっかりした局面になってるなぁ。誰かプロの棋譜を持ってきたのかな?もしかしたら、プロ棋士が監修しているのかも。」

薫ちゃん「そんなにですか。じゃあ、作った人の中に囲碁が打てる人がいたのかもしれませんね。」

石野先生「総監督が安彦良和さんだそうだから、囲碁の経験があるのかもよ。」

薫ちゃん「もう一つ、『黒い三連星』っていうのがヒットしてますよ。」

石野先生「ああ、初代ガンダムに登場するジオン軍の『トリプルドム』か。そういえば『黒い三連星』って呼ばれていたなぁ。」

薫ちゃん「先生こそ、年齢をごまかしてませんか?」

石野先生「いやいや、何言ってるの薫ちゃん。私は正真正銘の大学生ですよ(笑)」

薫ちゃん「怪しいなぁ・・・」

石野先生「それはさておき、『黒い三連星』って、囲碁の序盤作戦の『三連星』が語源になっているのかな?」

薫ちゃん「そこのところは、検索してみても出てきませんね。」

石野先生「初代ガンダム作画監督として安彦良和さんが参加しているから、その辺りでつながりがあるのかもしれないね。」

薫ちゃん「ガンダム囲碁とにこんなにつながりがあるなんて、意外でしたね。」

石野先生「そうだね。他のアニメでも、調べてみるともっといろいろなことがわかるかも。」

薫ちゃん「よしっ、私頑張って調べてみます。」

石野先生「いや、頼むから勉強しようよ・・・」

第54話「囲碁用語を勝手に英訳してみた!」の巻

薫ちゃん「先生、NHK囲碁講座の6月号、読みました?」

石野先生「もちろん!」

薫ちゃん「黒嘉嘉さんの『黒嘉嘉の美しい形』に書かれていましたけど、『カケツギ』のことを英語で『tiger mouth(虎の口)』っていうんですね。」

石野先生「そうらしいね。こういう形で紹介されていたかな。」

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薫ちゃん「確かに、虎の口って感じですね。」

石野先生「僕は最初、虎を正面から見た形のことかと思ったんだけれど、ネットで調べてみると、大きな口を開けた虎を横から見たイメージらしいね。確かに、カケツギの形が虎の牙みたいだ。」

薫ちゃん「そうなんだ。だったら、『tiger fang(虎の牙)』のほうがカッコよくないですか?」

石野先生「お~、そうかもしれない。薫ちゃん、センスあるなぁ(笑)」

薫ちゃん「よしっ、じゃあ、囲碁用語を勝手にどんどん英語にしちゃいましょう!」

石野先生「ええっ、大丈夫・・・」

薫ちゃん「やっぱり、動物系でいくと『犬の顔』『馬の顔』でしょう。」

石野先生「調べてみると、『猫の顔』『麒麟の顔』っていうのもあるらしいよ。」

薫ちゃん「そのまま英語にすれば、それぞれ『cat face』『dog face』『hourse face』『giraffe face』になるかな。」

石野先生「どうやら、『dog face』と『hourse face』は、すでに使われているみたいだね。」

薫ちゃん「じゃあ、新しく『cat face(猫の顔)』と『giraffe face(キリンの顔)』が追加されましたね(どやっ)」

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石野先生「いいのかなぁ・・・」

薫ちゃん「どんどん行きましょう。先生、他に動物を使った囲碁用語は?」

石野先生「『狸の腹鼓(たぬきのはらつづみ)』っていうのがあるよ。こんな形の黒1~3が攻め合いに勝つ手筋なんだ。」

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薫ちゃん「私は聞いたことがないんですけど、まあいいです。これって、何で『狸』なんですかね?」

石野先生「さあ・・・何でだろうね。形かな?」

薫ちゃん「先生、狸って英語でなんて言うんですか?」

石野先生「ちょっと待ってね・・・残念、狸は欧米にはいないから、狸そのものを表わす英語はないみたいだよ。」

薫ちゃん「え~、それじゃ困ります。う~ん・・・動物・・・動物・・・そうだ、先生!この形、何となくゴリラが胸を叩いているように見えません?」

石野先生「えっ!?そういわれれば、何となく・・・」

薫ちゃん「よしっ、この形は『drumming gorilla(ドラミングするゴリラ)』でいこう!」

石野先生「『いこう!』って、そんな勝手に・・・」

薫ちゃん「はいっ、先生、次っ!」

石野先生「はい・・・じゃあ『イタチの腹ヅケ』でお願いします。こんな形だね。」

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薫ちゃん「これも、どこがイタチなのかさっぱり分かりません。」

石野先生「それは、僕も分からない(笑)ちなみに、イタチは英語で『weasel』だね。」

薫ちゃん「聞いたことない英語ですね。でもしょうがないから、『weasel's body touch(イタチのボディタッチ)』にしましょう。」

石野先生「これは、多少は雰囲気あるかもね。」

薫ちゃん「じゃあ次、もう動物じゃなくてもいいですよ。」

石野先生「じゃあ、『ツケ』つながりで『天狗の鼻ヅケ』はどう?こんな形なんだけど。」

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薫ちゃん「これは、分かりやすいですね。2目並んだ白石が、天狗の鼻みたい。」

石野先生「ただ、天狗は日本の妖怪だから、狸と同じく英語がないんじゃないかなぁ。」

薫ちゃん「ですよね・・・じゃあ、『Cyrano's nose touch(シラノの鼻にタッチ)』っていうのはどうですか?』

石野先生「『シラノ』って、誰のこと?」

薫ちゃん「『シラノ・ド・ベルジュラック』ですよ。知らないんですか?」

石野先生「なるほど、これなら英語圏の人たちにも通じるかもね。」

薫ちゃん「私って、もしかして翻訳家の才能があるのかも。将来は、囲碁の本を英語に訳す仕事をしようかな。」

石野先生「それは、さすがに調子に乗り過ぎじゃあ・・・」

薫ちゃん「えっ、何か言いましたか、先生?」

石野先生「何でもありません。」

薫ちゃん「よ〜し、そうと決まれば勉強だぁ〜」

石野先生「学校の・・・だよね?」

薫ちゃん「囲碁の勉強に決まってるじゃないですか。はいっ、先生、打ちますよ!」

石野先生「僕、なんの家庭教師だったかなぁ・・・」

第53話「『囲碁 ホリエモン』で検索してみたら・・・」の巻

薫ちゃん「最近、ホリエモンこと堀江貴文さんが、ニュースを賑わせてますね。」

石野先生「都知事選に立候補するとか、ホリエモン新党立ち上げとか、政治的なニュースが増えてきたよね。」

薫ちゃん「ホリエモンさんって、囲碁を打ったりするんでしょうか?」

石野先生「どうかなぁ。ネットで検索してみようか。『囲碁 ホリエモン』・・・ポチッと。」

薫ちゃん「YouTubeの動画が出てきましたよ。2016年6月に公開された動画ですね。ちょっと見てみましょう。」

youtu.be

石野先生「なるほど、『囲碁将棋教室の集客数を増やしたい』という教室の主催者の質問に答えているんだね。」

薫ちゃん「ホリエモンさん、あんまり囲碁とか将棋にいいイメージは持っていないみたいですね。」

石野先生「『あんま面白いイメージがない』って、はっきり言いきられちゃいましたね(笑)」

薫ちゃん「でも、『看板娘を雇うのはどうですか?』っているアドバイスは、結構ありなのかもしれませんよ。」

石野先生「確かに、女性の効果は大きいよね。プロ棋士だって、女流棋士のほうがダントツに人気あんだから。」

薫ちゃん「それに、同じ女性がいるってわかっていれば、女性のお客さんもひょっとしたら来てくれるかもしれません。」

石野先生「『ひょっとしたら』ね。」

薫ちゃん「ホリエモンさんって、囲碁は打てるんでしょうか?」

石野先生「検索結果に、囲碁インストラクターの稲葉禄子(いなばよしこ)さんのブログがあるよ。どれどれ・・・」

yoshiko3.exblog.jp

薫ちゃん「2011年6月だから、ずいぶん昔の記事ですね。」

石野先生「記事の中で、堀江さんに囲碁を教えるって書いてあるね。」

薫ちゃん「ニコニコ生放送のイベントだったみたい。ということは、ホリエモンさんは全くの未経験ではないわけですよ。」

石野先生「そういえば、稲葉さんの著書である『囲碁と悪女』にも、堀江さんとの交遊のことが書かれてあるって聞いたことがあるような気がする。」

薫ちゃん「じゃあ、やっぱり・・・」

石野先生「う~ん、そうなると、経験があった上でのあのYouTubeでの発言なわけだ。」

薫ちゃん「そっか、そう考えるとちょっと悲しいですね。」

石野先生「でも、それが世間一般の囲碁のイメージなんだろうね。」

薫ちゃん「もし都知事になったら、尾道市囲碁を『市技(しぎ)』にしているみたいに、囲碁を『都技(とぎ)』にしたりしませんかね。」

石野先生「それは、囲碁ファンにとっては嬉しいことかもしれないけれど、都民にとっては耐えられないかもしれないよ(笑)」

第52話「囲碁とアウトドアって、実はベストマッチ!?」の巻

薫ちゃん「先生、タイトルがアウトドアってなってますけど、どうしたんですか?」

石野先生「そうなんだ。YouTubeを見ていたら、柳時熏(りゅうしくん)先生の動画がアップされていてね。それが囲碁動画では珍しく、屋外での撮影だったんだよ。」

www.youtube.com

薫ちゃん「確かに、屋外で囲碁って、あんまりイメージありませんよね。」

石野先生「囲碁って、どちらかというと、静かな部屋で無言でパチリパチリやっているイメージだよね。でもね、この柳時熏先生の動画を見ていると、屋外での対局っていうのも結構ありなんじゃないかと思いだしてね。」

薫ちゃん「あまり目にしたことはないですけど・・・」

石野先生「例えば、近所の公園で対局とかね。折り畳みのテーブルと椅子を持って行って、お日様の下で対局なんて、気持ちよさそうじゃない?」

薫ちゃん「ホントですね。レジャーマットを引いて、そこに碁盤を置いてっていうのもありかも。」

石野先生「夏になれば、河原で対局っていうのも、涼しげでいいよね。」

薫ちゃん「砂浜で、ビーチパラソルの下でって、オシャレじゃないですか?」

石野先生「いや、それはさすがに暑くない?」

薫ちゃん「苦戦になったら、海に入って頭を冷やしてきた入りして(笑)」

石野先生「でね、屋外で対局すると何がいいって、そこに遊びに来ている囲碁を知らない人たちの目にも留まるってことなんだ。」

薫ちゃん「なるほど、囲碁の普及にも一役買いそうですね。」

石野先生「でしょでしょ!囲碁を知らない子供たちが、ルールを教えてほしいって声をかけてくるかもよ。」

薫ちゃん「上級者が、呼んでもいないのに検討に参加してくるかもしれませんね。」

石野先生「そうなんだ。囲碁ももっとワイワイガヤガヤ、賑やかにやってもいいはずなんだよね。それが、屋内だとどうしてもシ~ンとしちゃう。だから、屋外の開放的な雰囲気の中で囲碁を楽しんでみようよ!」

薫ちゃん「『みようよ!』って、まさか今からですか!?」

石野先生「えっ、ダメかな?今が一番いい季節だと思うんだけどなぁ。」

薫ちゃん「お・こ・と・わ・り・し・ま・す・!」

石野先生「そんなぁ、こんな恥ずかしいことに付き合ってくれるの、薫ちゃんしかいないんだよ。」

薫ちゃん「恥ずかしいって・・・碁盤運ぶのだって、重いじゃないですか。」

石野先生「大丈夫、ポータブルの碁盤を持ってきたから。」

薫ちゃん「いやぁぁぁ・・・(泣)」

第51話「本因坊秀策って、すごい人なの?」の巻

石野先生「薫ちゃん、毎日新聞で面白い記事を見つけたよ。尾道市が、本因坊秀策の生涯を紹介する冊子を作ったんだってさ。」

mainichi.jp

薫ちゃん「本因坊秀策さんって、尾道市の出身だったんですね。」

石野先生「正確に言うと、瀬戸内海の因島(いんのしま)の出身なんだよ。昔は因島市だったんだけれど、市町村合併尾道市に吸収されちゃったんだね。」

薫ちゃん「こんな風に尾道市が冊子を作っちゃうなんて、地元の人たちに愛されているんですね。そんなにすごい人だったんですか?」

石野先生「因島には、秀策の記念館があるくらいだからね。」

honinbo.shusaku.in

石野先生「秀策の実績を語ると長くなっちゃうんだけれど、有名なエピソードをいくつか紹介してみようか。」

薫ちゃん「わ~い、お願いします!」

石野先生「秀策は、幼名を虎次郎(とらじろう)といってね、幼いころから囲碁の才能はずば抜けて居たらしいよ。噂を聞いたお殿様が虎次郎と対局したんだけれど、秀策はまだ小さかったから、座布団を何枚も重ねてようやく碁盤が見えるようになった。それを聞いた地元の人たちは、『お殿様に対して座布団を重ねて座るのは、虎次郎だけだ(笑)』といって拍手喝采だったとか。」

薫ちゃん「やっぱり、才能のある人はこんな風に『神童』エピソードがあるんですね。」

石野先生「9歳の時に江戸の本因坊家に入門するんだけれど、その時の家元である本因坊丈和(ほんいんぼうじょうわ)は、『この子は、150年来の天才だ!これで本因坊家も安泰だわい。」といって喜んだらしいよ。」

薫ちゃん「150年って、微妙な数字ですね。」

石野先生「この時から約150年前は、今なお『碁聖』と称される本因坊道策(ほんいんぼうどうさく)が活躍していたころでね。丈和は、道策先生以来の天才だって言いたかったんだろうね。」

薫ちゃん「そんなにすぐに才能を見抜いちゃうなんて、丈和さんもすごいですよね。」

石野先生「もちろん!道策を『前聖』、丈和を『後聖』と呼ぶこともあるくらいでね。その迫力のある碁は、今でもファンが大勢いるよ。」

薫ちゃん「じゃあ、丈和さんには、ちょっと謙遜もあったかも(笑)」

石野先生「秀策に対する丈和の入れ込みようはすごくてね、自分の娘を嫁がせてもいるんだ。」

薫ちゃん「なんだか、政略結婚っぽい・・・」

石野先生「そうかもしれないけれど、秀策も、お嫁さんの花さんも、とてもいい人だったらしいから、幸せな結婚生活だったんじゃないかな。」

薫ちゃん「碁の天才にして、人格者・・・非の打ち所がないんですね。」

石野先生「さて、21歳になった秀策は、当時の公式戦ともいえる御城碁(おしろご)を打つことになる。そこからお城碁がなくなってしまうまでの13年間で、何と19連勝を達成してしまうんだ。」

薫ちゃん「19連勝!!!将棋の藤井聡太さんの、プロ入りからの29連勝もすごいですけど、13年かけての連勝もすごいですね。」

石野先生「当時はコミの制度がなかったから、特に先番で黒を持ったら鉄壁でね。お城碁の帰りに対局の結果を聞かれて、『先番でした』と答えたというのは有名なエピソードだよ。」

薫ちゃん「『先番=勝ち』ってことですか?すごい自信家だぁ。」

石野先生「まあ、このエピソードは眉唾物でね。秀策は控えめな人だったから、『あまり出来は良くなかったのですが、先番だったのでなんとか勝つことができました。』とか何とかいったのが、面白おかしく伝わったんじゃないかとも言われているんだけどね。」

薫ちゃん「意味が全然違うじゃないですか!怪しげなエピソードが勝手に広まってしまうのは、昔も今も同じですね。」

石野先生「そんな秀策なんだけれど、残念ながら34歳の若さで亡くなってしまうんだ。」

薫ちゃん「えっ!?いくら江戸時代といっても、若すぎませんか?」

石野先生「うん、当時江戸ではコレラが流行していてね、秀策はコレラにかかった仲間たちを看病するうちに、自分も同じ病気にかかってしまったらしいんだな。」

薫ちゃん「うわぁ、可哀そう・・・本因坊家の皆さん、ショックだっただろうなぁ。」

石野先生「奥さんの花さんが、秀策の両親に秀策の死去を伝えた手紙が残っているんだけれど、涙なくしては読めないよ。」

薫ちゃん「運命って、残酷だわ・・・」

石野先生「そんなこんなエピソードも、因島市が作った冊子には掲載されているんだろうね。」

薫ちゃん「私たちも、読んでみたいですね。」

石野先生「尾道市役所でもらえるらしいから、薫ちゃん、尾道まで取りに行ってきてよ。」

薫ちゃん「なんで私なんですかっ!先生が行ってきてくださいよ。」

石野先生「よしっ、自粛が解除されたら、2人で因島に行ってみようか?」

薫ちゃん「えっ!?2人で旅行・・・それって・・・」

石野先生「いやいやいや、秀策記念館に行くだけだから!日帰りだから!」

薫ちゃん「な~んだ、つまんないの(笑)」